
子猫の青い瞳「キトンブルー」は、生後6~7週齢頃までの限られた時期にだけ見られる神秘的な輝き。これはメラニン色素が未発達なために光が反射して青く見えているものです。やがてその子らしい目の色がゆっくりと現れ、成長の証となります。今だけのきらめきを写真に残したり、じっくりと見つめる時間を大切に。変化していく瞳の色も、かけがえのない思い出になりますように。
子猫の澄んだ青い目を見て、
「まるでハーフモデルみたい!」と
感じたことはありませんか?
生まれたばかりの子猫たちが持つ、
あの透明感のあるブルーの瞳――
実は一生モノではなく、
とても短い期間だけの“特別な輝き”なんです。
この青い目には、ちゃんとした理由があります。
猫の目の色を決めるメラニン色素は、
生まれたばかりの時期にはまだ発達しておらず、
瞳が光を反射して青く見えているのです。
この現象は「キトンブルー(Kitten Blue)」
と呼ばれ、猫特有の美しい成長過程のひとつ。
期間限定の姿だと思うと、
ますます愛おしさが増しますよね。
目の色は生後6〜7週頃から徐々に変化し、
その子本来の目の色が姿を現し始めます。
つまり、キトンブルーが見られるのは
たった1~2ヶ月程度の貴重な時間なのです。
「ずっとこのまま青い目だったらいいのに」
そう思ってしまう気持ちも分かりますが、
その変化こそが、猫の成長の証。
今回は、そんな子猫の“目の色”に注目し、
キトンブルーの秘密と、
成長による変化、注意してほしいポイントまで
獣医師の視点でわかりやすくご紹介します。
青い目はいつまで?
キラキラした青い目が見られるのは、
生後すぐ〜6〜7週齢ごろまで。
つまり、生後1〜2ヶ月のごく短い期間限定です。
この間にしか見られない
“透き通るようなブルーの瞳”は、
まさに子猫時代の宝物。
一瞬一瞬が過ぎていく中で、
目の色も少しずつ変わっていきます。
生後2ヶ月を過ぎる頃には、
本来の目の色がゆっくりと現れ始め、
気づけば青から違う色へと
変化していることに気づくでしょう。
「なんか最近、目の色が変わったかも?」
そんな発見も、猫との暮らしの
楽しみのひとつです。
それが「キトンブルー」
この青い目の現象は「キトンブルー」と呼ばれます。
“Kitten(子猫)”+“Blue(青)”で、
まさに「子猫の青い瞳」という意味ですね。
なぜ目が青く見えるのか?
その理由は、目の中にあるメラニン色素が
まだ十分に作られていないからです。
メラニンは、目の色や毛色、肌の色を決める
重要な色素。でも、生まれたばかりの子猫には
この色素がほとんどありません。
そのため、光が瞳の奥に届き、
その反射によって青く見えるのです。
実際には“青く色づいている”のではなく、
“青く見えている”だけというのがポイント。
この「反射の美しさ」も、
子猫ならではの特別な現象なんです。
いつ、どう変化する?
目の色が変わり始めるのは、
生後7週〜3ヶ月頃が一般的です。
この時期にメラニン色素が徐々に生成され始め、
それぞれの猫の遺伝や品種に応じて、
その子本来の目の色が現れてきます。
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1〜2ヶ月…青い目が続く
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2〜3ヶ月…色が変わり始める
-
4〜6ヶ月…最終的な目の色に安定する
変化のスピードには個体差があり、
なかには半年頃までゆっくり色づいていく子も。
ある日突然ガラッと変わるというよりは、
「少し緑がかってきたかも?」
「なんとなく黄色っぽい?」
といった微妙な変化を重ねて
定着していくイメージです。
どんな色に変わるの?
キトンブルーから変化する目の色は、
猫によって実にさまざまです。
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ゴールド(黄金色)
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グリーン(エメラルド調)
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琥珀色(アンバー)
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カッパー(銅色)
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ヘーゼル(黄緑〜茶系)
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ブルー(そのまま)
ブルーアイのまま成長する猫もいますが、
これは遺伝的にブルーアイの品種や
特徴を持つ場合です。
たとえば、シャム猫やターキッシュアンゴラ、
オッドアイの白猫などは
成猫になっても青い目が残ることがあります。
どの色に変わるかは“その子だけの個性”。
目の色の変化も、成長の記録として
写真に残しておくのもおすすめです。
日常の観察が、未来の安心に
目の色の変化だけでなく、
子猫との暮らしの中で見られる小さな変化は、
どれも“未来へのサイン”になります。
たとえば、光に対する反応の仕方や、
目やにの出方、まばたきの頻度など――
こうした細かい観察を日々重ねることが、
病気の早期発見にもつながるのです。
「この子の普段の顔をよく知っている」
それだけで、ちょっとした異変にも
気づきやすくなります。
特に目は、健康状態を映し出す鏡のような器官。
キトンブルーが終わったあとも、
猫の目の美しさと健康を守るために、
日常の中での「見守り」を続けていきましょう。
成長とともに変わっていく姿に感動しながら、
“今しか見られない表情”を見逃さず、
しっかり心に刻んでいけたら素敵ですね。
一瞬のきらめきを、思い出に残す
キトンブルーは、生後1〜2ヶ月の間だけ
見られる“奇跡のような瞳”です。
目の色はいつの間にか変わってしまうもの。
「気がついたら青くなくなっていた…」
そんなふうに、知らないうちに
終わってしまうことも珍しくありません。
だからこそ、今この瞬間の青い瞳を
写真に残しておくことをおすすめします。
スマホでも十分。
自然光の中で撮った写真は、
透き通るような青さがよりくっきりと映えます。
お昼寝中のうっとりした顔、
お気に入りのおもちゃを追う真剣な表情――
キトンブルーの目元を中心に
フォーカスしてみると、
成長記録としてもとても価値のある1枚になります。
あとから見返して、
「こんなに青かったんだな」
「目つきが今と全然違う!」
そんな驚きや感動が待っているはずです。
そして、目の色の変化を
「この子らしさ」として楽しめるようになると、
猫との関係もますます深まっていきます。
ゴールドに輝く目、
落ち着いたグリーンの瞳――
どの色も、世界にひとつだけの“その子の色”。
目の色が変わっていくのは、
ちょっぴり寂しさを感じるかもしれませんが、
それは子猫から成猫への成長の証。
その変化を見守れるのは、
飼い主さんだけの特権でもあります。
目の色が変わるということは、
それだけ長く一緒に過ごしてこられた証でもあり、
その子との歴史の一部となります。
もしあなたが今、
キトンブルーの瞳と見つめ合っているのなら、
その一瞬一瞬を大切に、
たくさんの思い出を残してくださいね。
注意!こんなときは病院へ(約400字)
通常、目の色が変わるのは
自然な成長過程ですが、
突然の変色や異常な見た目には注意が必要です。
以下のような場合は、
早めに動物病院へ相談しましょう。
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急に濁って見えるようになった
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片目だけ色が違ってきた
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白っぽくにごった
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目やにが増えた
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まぶしそうにしている
目の病気の中には、
進行が早く失明のリスクがあるものもあります。
「成長の変化だと思ってたら病気だった」
とならないように、少しでも不安なときは
獣医師に相談を。
犬にも似た現象が?
実は、猫だけでなく犬にも似た現象があります。
子犬のときに青みがかった目になることがあり、
こちらは「パピーアイ」などと呼ばれています。
ただし、犬の場合は「キトンブルー」という
名称は使われません。
これは、キトン(Kitten=子猫)に由来する
猫特有の呼び名だからです。
子犬も成長とともに目の色が変化しますが、
猫のように劇的な青から変わる子は少なめ。
“青い目が消えていく”という儚さが
猫特有の魅力なのかもしれません。
子猫の青く澄んだ瞳――それは
「キトンブルー」と呼ばれる、
ごく短い間だけ見られる特別な瞬間です。
この青さは、生まれたばかりの子猫の
メラニン色素がまだ未発達であるため、
光の反射によって現れる現象。
成長とともに徐々に色が変わり、
やがてその子ならではの“本当の目の色”が
あらわれてきます。
目の色の変化は、子猫の成長そのもの。
キトンブルーが見られる時期はほんのわずかですが、
だからこそ、見つめるたびに愛おしく、
かけがえのない思い出になるのです。
変化の途中で「片目だけ違う色になった」
「白く濁って見える」などの異常を感じたら、
迷わず動物病院へご相談くださいね。
目の色の移り変わりを見守ることは、
ただの観察ではなく、
猫との絆を深める時間でもあります。
今日もあなたの猫ちゃんの瞳が
元気に輝いていますように――。
そのまなざしの中にある命の物語を、
どうか大切に育んでください。