
室内飼いの猫でも、ノミ・ダニ・フィラリアの感染リスクはゼロではありません。ノミによる皮膚炎や、マダニ媒介のSFTS、人も亡くなる感染症、さらに猫の突然死を招くフィラリアなど、深刻な疾患を防ぐには予防が不可欠です。本記事では、寄生虫の特徴や予防期間、室内飼いでも必要な理由、正しい投薬方法まで詳しく解説。大切な家族を守るために、今すぐ見直してみませんか?
室内飼いだからといって、
感染症のリスクが
ゼロになるわけでは ありません。
実はノミ・ダニ・ フィラリアといった
寄生虫による病気は、
室内猫でも感染する
可能性があるのです。
「室内だから大丈夫」
と思って油断していると、
思わぬトラブルが
起こることもあります。
たとえば、
ノミに よるアレルギー性皮膚炎は、
わずかな寄生でも
激しいかゆみや脱毛、
皮膚の赤みなどを 引き起こします。
さらに、
マダニが 媒介する
SFTS (重症熱性血小板減少症候群)
という病気は、
人にも感染し、
致死率が高いことで 知られています。
猫から人へ直接感染する
わけではありませんが、
マダニを通じて
家庭内に病原体が
持ち込まれる可能性は
否定できません。
そして、
フィラリア症も恐ろしい感染症です。
フィラリアは蚊を通じて 感染し、
猫の体内で
成虫になると心臓や肺の 血管に寄生します。
猫の心臓はとても小さく、
ほんの数匹の寄生でも
突然死を引き起こす ケースがあるのです。
しかも、
猫のフィラリア症は 症状が出にくく、
発見が難しいため、
気づいた時には 手遅れになることも。
これらの病気は、
決して珍しいことでは ありません。
「完全室内飼いだから 大丈夫」
と思っていた方こそ、
今日から予防について
真剣に考えてみてください。
大切な猫の命と、
家族の健康を守るために。
今回は、
猫の健康を 守るために必要な
ノミ・ダニ・フィラリア
それぞれの予防時期や、
投薬のポイントについて
詳しく解説します。
1. 予防期間の目安
ノミ・ダニの活動は
「気温13度以上が
3日間続くと活発化」
すると言われています。
つまり、春や秋の
寒暖差がある時期でも、
気温が安定して
暖かくなると
リスクが高まります。
一方、フィラリアは
「蚊」によって媒介される
感染症。
予防薬は「蚊がいなくなって
1ヶ月後まで」が
投薬の目安です。
蚊が出始めたら、
投薬を開始し、
見かけなくなっても
1ヶ月後まで継続することが
重要です。
2. 地域別の目安
予防期間は、
住んでいる地域によって
異なります。
例えば…
・沖縄・九州南部
→ 年中予防が推奨されます
・関東・関西
→ 3月~12月が目安
・北海道
→ 5月~11月が目安
近年は地球温暖化の影響で、
暖かい日が増え、
冬でもノミが発生したり
蚊が活動するケースが
報告されています。
地域の動物病院では
気候に応じた
予防計画を
提案してくれるため、
ぜひ一度相談して
みてください。
3. 室内飼いでも予防必要?
「完全室内飼い」でも
安心はできません。
たとえば…
・暖房の効いた室内では、
ノミの卵が孵化し、
冬でも繁殖します。
・人の服や靴に
ノミやダニが付着して
室内に持ち込まれることも。
・庭やベランダに出たとき、
落ち葉や草むらに潜んだ
マダニがくっつく
こともあります。
つまり、室内飼いであっても
100%安全とは言えないのです。
4. 予防しないとどうなる?
ーフィラリア編ー
フィラリアは、
蚊が吸血した際に
感染幼虫を媒介します。
感染すると、成虫が
心臓や肺の血管に
寄生し、
重度の呼吸困難や
突然死を招くことも。
特に猫は心臓が小さく、
少数のフィラリアでも
命に関わる重篤な症状を
起こしやすいのです。
犬より感染率は低いですが、
症状が出にくく
発見が遅れるケースも多いため、
予防が非常に大切です。
5. ノミの健康被害①
ノミは単なる「かゆみ」
だけではありません。
ノミが媒介する病気には
以下のようなものがあります。
・猫ヘモプラズマ症
(旧:ヘモバルトネラ症)
→ 血液中の細菌感染により、
貧血・発熱・元気消失を招きます。
・猫ひっかき病
→ ノミが持つ細菌
(バルトネラ)が原因。
→ 感染した猫に
ひっかかれることで、
人間にも感染します。
人ではリンパ節の腫れや
発熱を引き起こし、
重症化することも。
6. ノミの健康被害②
さらに、ノミを介して
感染する寄生虫もあります。
・瓜実条虫(サナダムシ)
→ ノミを毛づくろいで
食べてしまうことで、
お腹に寄生します。
→下痢・体重減少・
栄養障害などを
引き起こすこともあります。
また、ノミが大量発生すると
血を吸われすぎて
貧血を起こしたり、
唾液に含まれる物質が原因で
アレルギー性皮膚炎を
発症する猫もいます。
7. ダニの健康被害
マダニは吸血するだけでなく、
深刻な病気を
運んでくることがあります。
とくに怖いのが
「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」
これは人にも感染し、
実際に死亡例も
報告されています。
猫がマダニにかまれ、
ウイルスを持つようになり、
その猫に噛まれた人が
感染してしまうこともあります。
「うちは外に出さないから」
と思っていても、
知らないうちにダニが
家の中に入ってしまう
リスクはゼロではないのです。
8. 予防のポイント
予防の基本は、
毎月の投薬を 忘れずに行うことです。
カレンダーやアプリで 日程を管理し、
忘れないように しましょう。
多頭飼いの場合は、
全員同時に投薬することで、
相互感染のリスクを 減らすことができます。
薬の選び方も大切です。
駆虫薬には
スポットタイプ、 錠剤、注射タイプなど
さまざまな種類があり、
猫の性格や生活スタイルに 合わせて
選ぶことが 可能です。
たとえば、
薬を飲むのが 苦手な子には
皮膚に塗布する スポットタイプが
適しています。
さらに、
日頃から スキンシップを兼ねて
ブラッシングや体のチェックを 行う習慣をつけると、
寄生虫の早期発見に つながります。
毛の中に小さな黒い粒や、
虫のようなものを 見つけたら、
すぐに 動物病院で診てもらいましょう。
また、薬の効果を
最大限にするためには、
体重に合った正しい量を
使うことが大切です。
特に成長期の猫は 体重が変化しやすいので、
都度確認が必要です。
予防は一度きりで 終わるものではなく、
継続が命を守る鍵です。
正しい知識と習慣で、
一年を通じて 猫と飼い主、
家族みんなが
安全で健康に 過ごせるように しましょう。
まとめ
ノミやダニ、フィラリアは
「うちの子には関係ない」
と思われがちですが、
実は室内飼いの猫でも
感染リスクは十分にあります。
少しの油断が猫の命に
関わることもあるからこそ、
正しい知識と予防が必要です。
特にフィラリア症は、
突然死につながる
怖い病気の一つ。
猫の小さな心臓には
たった数匹の寄生でも
大きなダメージを与えます。
ノミによるアレルギーや、
人にも感染するSFTSなど、
猫だけでなく
人の健康を守る意味でも、
予防は重要です。
予防の方法は様々。
スポットタイプ、飲み薬、注射など、
猫の性格や飼育環境に合わせて
選ぶことができます。
また、予防はただ投薬するだけでなく、
日々のスキンシップや
ブラッシングを通して、
寄生虫がついていないか
チェックすることも大切です。
さらに、フィラリア予防は
犬には馴染みがありますが、
猫の場合はまだ知らない方も
多くいます。
義務ではありませんが、
大切な家族を守るという意味で、
自分の暮らしに合わせた
最適な予防スタイルを
見つけてほしいと思います。
予防は「もしも」の時の
安心につながります。
そしてその積み重ねが、
猫との健やかな日々を守る力になります。
ぜひ今日から、
できることから始めてみてください。