猫の脱走が春に多くなる理由と脱走対策【キャットケアスペシャリストが解説!】

猫の脱走が春に多くなる理由と脱走対策【キャットケアスペシャリストが解説!】

春になると猫が脱走してしまう
件数が多くなります。その原因と
あらためて確認しておきたい
脱走対策をキャットケアスペシャリストが解説します。

気温も上昇してポカポカ陽気の日が多く
なってくると、猫の脱走の件数も増える
傾向にあります。

なぜ春の脱走が多いのか、その原因と
日頃からできる脱走対策を確認しておきましょう。

気温も上昇してポカポカ陽気の日が多く
なってくると、猫の脱走の件数も増える
傾向にあります。
なぜ春の脱走が多いのか、その原因と
日頃からできる脱走対策を確認しておきましょう。

春は猫にとって行動量が増える季節でもあり、
室内にいても窓から入る心地よい風や日差し、
外の音や匂いが刺激となります。
特に冬の間じっとしていた猫たちは、
急に活発になりやすく、ちょっとした隙間にも
敏感に反応しがちです。
この時期は飼い主側の行動が脱走リスクに
直結しやすいため、普段より丁寧な管理が
 必要になります。

なぜ脱走したくなるのか?

猫が脱走したくなる背景には、
本能や欲求だけでなく「生活の変化」も
深く関係しています。
たとえば引っ越し、模様替え、家族の増減、
来客が増えた時期などは、猫が不安定になりやすく
「落ち着ける居場所を求めて外に出たい」という
気持ちが強くなることがあります。

また、若い猫ほどエネルギーが有り余っており、
刺激を求めて外に興味を持ちやすい傾向があります。
逆に、高齢の猫でも体調の変化から
普段と違う行動を取ることがあり、
その結果として外へフラッと出てしまうこともあります。
そのため、「うちの子は大丈夫」と決めつけず、
どんな性格の猫でも脱走する可能性があることを
前提に対策をすることが重要です。

1|好奇心

窓から見える外の景色は猫にとって
魅力的です。鳥や虫、野良猫などに興味を
持つと外に行ってみたいと思うようになります。

特に春は動く生き物が増えるため、
猫の「ハンター本能」が刺激されます。
室内で遊べていても、本物の動きには
普段とは違う反応を見せることも多く、
視界の端をよぎるだけで一気に興奮して
勢いのまま飛び出してしまうことがあります。 

2|発情期

去勢・避妊手術をしていない猫は、
発情期になると相手を求めて外に出たい
欲求が出ます。外を歩く野良猫などを
見かければ、欲求はさらに強くなるでしょう。

発情期の匂いや鳴き声は遠くまで届くため、
室内にいても刺激を受けてしまいます。
窓の隙間から外を覗き込みながら鳴き続け、
ドア周りをウロウロと落ち着かなくなるなど、
普段との変化が見られることが多いです。


3|ストレス

今の暮らしに不満があったり、恐怖や
不安があるとストレスになってしまいます。
そのストレスが原因でその場から逃げたい
と思うようになり、脱走してしまいます。

引っ越しや家具の変更、家族の出入り、
来客が続くなど、環境の些細な変化も
猫にとっては大きなストレスになります。
落ち着ける場所が確保されていなかったり、
遊びやスキンシップが不足している場合も
脱走欲求を高める原因になります。

猫の脱走が春に多くなる理由

春は、
猫の行動に影響を与える外的刺激が急増します。
外では鳥の活動が活発になり、
虫が飛び始め、草木が揺れる風景も増え、
猫の好奇心を強烈に刺激します。
室内であっても、窓越しに見える
小動物の姿や音は、猫の狩猟本能を
ダイレクトに呼び起こします。

また春は「環境音」が変化する季節でもあります。
子どもの外遊び、ガーデニング、洗濯、
通行人の増加など、冬には少なかった生活音が増え、
猫が窓際へ近づく機会が自然と増えます。
その結果、ちょっとした隙間を見つけやすくなり、
飛び出しのリスクが高まるのです。

私たちが季節に気を緩めてしまう一方で、
猫にとっては刺激の多い“外が魅力的な季節”
であることを理解しておく必要があります。

1|窓を開ける機会が増える

暖かくなってくると、換気などで私たちが
窓を開ける機会が増えてきます。窓を
開けたときや、閉めたつもりでも隙間が
あったりすると、そこから猫が脱走して
しまいます。

特に「網戸があるから大丈夫」と思い込む
ことで事故が起きやすくなります。
猫の力は意外と強く、網戸のレール部分に
体重をかけただけで外れることもあります。
強風の日は網戸が揺れて隙間が生まれ、
そこを狙って押し開けてしまう猫もいます。

2|恋の季節

猫の発情期は春〜秋にかけて1年に
2〜3回くらいといわれています。
春は1年のはじめの発情期になります。

この季節は外の猫たちの活動も活発で、
野良猫の鳴き声やフェロモンによる刺激が
室内の猫にも強く影響します。
その結果、普段は大人しい猫でも
ドアや窓の前で落ち着かなくなったり、
突発的に走り出すことがあります。

3|飼い主の油断

気温がゆるむと、私たちの気持ちも
ゆるみがちになります。冬はドアや窓の
隙間がしっかり閉まっていても、
寒さが落ち着くと少しの隙間が開いて
いても気づきにくくなります。

春は来客が増えたり、大掃除や模様替えで
窓を開ける回数が増えるのも脱走の原因に。
宅配便の受け取りやゴミ出しなど、
“たった数秒の油断”が大きな事故に
つながりやすい時期です。

私たちができる脱走対策

脱走対策を万全にするためには、
「家全体の危険箇所を把握すること」が
とても大切です。
玄関や窓だけでなく、
思わぬ抜け道ができるポイントは多くあります。

たとえば、網戸の下のレールが緩んでいたり、
ドアクローザーが弱っていてゆっくり閉まる場合、
猫がスッと抜けてしまう可能性があります。
また、洗濯機の排気口や通気口の隙間など、
人が気づかないルートを猫が見つけることもあります。

「危険箇所チェックリスト」を家族で共有しておくと
誰が家にいても一定の安全が保てます。
脱走防止は、家族全員で取り組むべき
“猫を守る共同作業”といえます。

1|脱走防止の柵やロックの設置

いちばんの対策は、脱走の可能性がある
場所に柵やロックを設置することです。
ドアや窓の開け閉めの度に猫が出よう
としてヒヤッとすることもなくなります。

安全にドアを開けたり、窓を開けて
換気することができます。設置のために
工事をする必要もなく簡単に頑丈な
対策ができるので、万が一に備えて
設置することをおすすめします。

 

2|確認は十分に

日頃からドアや窓の開け閉めのときは
十分に確認しましょう。
「一瞬だから大丈夫」という油断
脱走に繋がります。

玄関のドアや窓を開けるときは、猫が
いないことをしっかり確認してから
開けるようにしましょう。

 

3|暮らす環境の改善

外に出たいという興味を少しでも違う
ほうへ向けるように、より快適に
過ごせる環境を整えましょう。
おいしいごはんと、寝心地のよいベッド、
からだを動かして遊べる時間など家の中
でも楽しく過ごせるように改善します。

暮らしが快適で充実していれば、
脱走したいという気持ちも薄れるはずです。

 

4|首輪に工夫

万が一脱走してしまったときのために、
首輪に迷子札をつけたり連絡先を入れて
おくことも対策のひとつです。

保護してくれた人が連絡しやすく
なります。また、GPS機能がついた
首輪もあります。スマホから位置を確認
することができるので、探すときに役立ちます。

 

5|ケージを活用

普段からケージを使用して、猫が
安心して眠ったり落ち着ける場所が
ケージになるようにすることも
効果的です。

嫌がらずにケージへ入ることができれば、
私たちも安全に外出したり窓の開け閉めができます

まとめ

気温が上がりはじめて春を感じると、
猫も私たちもこころがウキウキして
くると思います。猫たちは外に出たい
気持ちが強くなります。

私たちが春に浮かれて油断していると、
脱走の機会を与えてしまうことになり
かねません。

春は脱走リスクが最も高い季節です。
それは、猫の本能と季節の特性、
さらには人間側の行動が重なるからです。
だからこそ、冬の間に対策を整えておくと
安心感が大きく変わります。
脱走を防ぐことは、猫の命を守ることにも
直結しています。家族の一員である猫が
安全で幸せに暮らせるよう、今一度
自宅の環境を見直し、できる対策を
一つずつ整えていきましょう。

春は猫の行動が活発になるだけでなく、
私たち人間の行動パターンも変わる季節です。
窓を開けて空気を入れ替えたくなる、
外出の回数が増える、来客が増える――
こうしたすべてが猫の脱走リスクを
いつもより高める要素になります。

だからこそ、春は「いつもより一歩踏み込んだ脱走対策」を
見直す絶好のタイミングでもあります。
柵の高さを見直したり、網戸ロックを追加したり、
窓際に猫が乗れる棚を作って外への興味を室内で満たすなど
小さな工夫でも安全度は大きく変わります。

猫にとって外の世界は危険が多い場所です。
猫の命と健康を守ることができるのは、
毎日いっしょに暮らす私たちだけです。
愛猫が安心して春を楽しめるよう、
 今できることから少しずつ強化していきましょう。