猫のフィラリア予防 完全室内飼いでも必要なの?【キャットケアスペシャリストが解説!】

猫のフィラリア予防 完全室内飼いでも必要なの?【キャットケアスペシャリストが解説!】

外に出ない完全室内飼いの猫でも
フィラリア予防が必要なのか?
キャットケアスペシャリストが
そのお悩みにアドバイス!

猫のフィラリア感染症という言葉を
聞いたことはありますか?
5月ごろから飛びはじめる「蚊」
によって媒介される感染症です。

フィラリア感染症は飼育環境の変化から
年々少なくなっているものの、感染例が
ゼロになったわけではありません。

完全室内飼いの猫でも、フィラリア感染症
にかかる可能性があります。万が一の
ことを考えて、フィラリア感染症の予防を
することをおすすめします。

■フィラリア感染症とは?

別名「犬糸状虫症」といいます。犬の字
が入っているように犬が感染しやすい
病気ですが、猫にも感染します。

フィラリアに感染した動物の血
蚊が吸います。その血を吸った蚊に
刺されることで、フィラリア幼虫が
体内へ入り感染します。


■猫の感染確率は?

猫の感染率は約10%、10匹に1匹
確率で現在や過去に感染の経験があるとされています。


■フィラリアに感染するとどうなるの?

動物の体内へ入ったフィラリア幼虫は
4か月~6か月で成虫になります。
最終的には肺や心臓にたどりつき、
さまざまな症状を引き起こします。

  1. 呼吸が苦しくなる
  2. 嘔吐する
  3. 食欲がなくなる
  4. 元気がなくなる
  5. 体重が減る

多くの場合、フィラリアの幼虫は成虫に
なる前に、猫の体内で死滅してしまうと
いわれています。幼虫の段階でも猫に
さまざまな症状が出ることがあります。

しかし、フィラリアが成虫になっても
目立った症状もなく普段どおりに生活
できる猫もいます。この成虫が猫の
体内に3〜5年寄生して、死んでしまった
あとが一番危険ともいわれます。

フィラリアの死骸が血管や肺に
詰まってしまい、突然死をまねく
こともあるのです。フィラリアに感染
しても、症状が出なかったり軽度で
済む猫もいます。

しかし、猫によっては症状も重く、
命に関わる状態になることもあります。
感染してフィラリアが成長してしまうと
治療が困難な感染症です。万が一に
備えて予防することは非常に大切です。


■室内飼いでも予防は必要?

蚊の侵入経路があるかぎり、家の中で
暮らす猫でも感染の可能性はあります。
換気のため窓を開けたときに隙間から
侵入したり、人が外出から帰ってきた
ときに服について侵入することが
あります。

蚊が嫌いで夏の時期は蚊が入ってこない
ように気をつけていても、完全に侵入を
防ぐことはできません。感染してから
後悔しないように、完全室内飼いでも
しっかりフィラリア感染症の予防をしましょう。


■予防できる薬は?

猫のフィラリア予防薬は、液体を垂らす
スポットタイプが主流になっています。
猫の首のあたり、すこし毛を掻き分けて、
なるべく皮膚に薬が届くようにしながら
垂らします。

猫の負担にもならず簡単に投与する
ことができます。それぞれの薬によって
多少違いがありますが、効果は約1か月
持続します。

シャンプーをしても効果が落ちること
はありませんが、投与してから薬が
からだ全体にまわるまでの間、2〜3日
ぐらいはシャンプーやお風呂は避けた
ほうがいいでしょう。蚊が飛ぶ
5月〜9月に月1回の目安で投与する
ようにしましょう。


スポットタイプのほとんどがフィラリア
の寄生予防だけではなく、ノミ・ダニ、
回虫などの駆除にも効果があります。

検索するといろんな種類の薬を調べる
ことができますが、かかりつけの獣医さん
へ相談して選ぶことがいちばん安全だと思います。


まとめ

「うちは蚊が入ってこないように用心
しているし、外にも出ないから大丈夫。」
「今までフィラリアに感染したこと
もないし、予防しなくてもいいかな。」

そう思っている飼い主さんも多いと思い
ます。フィラリア感染症にかかったら、
治療は難しく猫たちも飼い主さんも
苦しい思いをすることになるでしょう。

備えあれば憂いなしです。後悔する
ことなく安心していつもの毎日を
過ごせるように、しっかりフィラリア予防
をしておきましょう。

 

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