嫌がる猫が多いお世話のひとつ、
爪切り。嫌がるからといって
放っておけない、爪切りのやり方を
キャットケアスペシャリストが解説します!
爪を切ろうとすると逃げる、暴れて爪が
切れないなど、猫の爪切りで悩んでいる
人は多いと思います。
嫌がるからと放っておくと、事故に
つながってしまうこともあるのです。
嫌がる猫がかわいそうになることも
ありますが、爪切りは猫たちを守るため
にも大切なお世話のひとつです。
辛抱強く、爪切りのコツを試して猫たちに
あった爪切りスタイルをみつけましょう。
爪切りは
「美容」ではなく「安全管理」です。
カーテンや布製ソファに
爪が引っかかって
ケガをする事故、
飼い主の顔や手を
うっかり引っかくケースも
珍しくありません。
特に高齢猫は、
こまめなケアが大切です。
爪切りの頻度は
2〜3週間に1回が目安。
爪研ぎで満足しているように見えても、
根元を確認すれば伸びていることが多く、
チェックの習慣を持つことが
事故防止に
つながります。
猫の爪切りは本当に必要?

私たちと暮らす猫の爪切りは必要です。
たまに「うちの猫はしっかり爪研ぎ
してるから大丈夫」という人がいますが、
それは間違いです。
爪研ぎは爪を削って短くしている
のでなく、爪を研いでいるので立派に
尖ってゆくだけです。
外で暮らす猫たちは、コンクリートや
石などで爪が自然に削れるため、
爪切りをしなくても大丈夫です。
しかし、家の中で暮らす猫たちの爪切り
は必須になります。
室内飼いの猫は運動量が限られ、
爪が自然に摩耗する機会がほとんど
ありません。さらにカーペットや
フローリングでは爪が引っかからず、
摩擦が少ない環境です。
特に長毛種は、毛に隠れて爪の確認が
遅れることも多く、伸びすぎた爪が
肉球に刺さる「巻き爪」を起こすことも。
この状態になると痛みや感染を伴い、
歩行を嫌がるようになります。
だからこそ「定期的に確認して切る」
というルーティンを持つことが、
猫の健康を守る第一歩なのです。
猫の爪が伸びたままだと?
猫の爪切りをしないで伸びたままに
しておくと、ケガや事故につながってしまいます。
■ケガのもとになる
多頭飼いの場合爪が伸びたままだと、
けんかやじゃれあいがケガにつながって
しまいます。
伸びた爪で手を出したときに、相手を
傷つけてしまうのです。しっかり爪を
切っておけば、多少のけんかやじゃれあい
でケガをすることもありません。
じゃれ合いの中で目や鼻を傷つける
ケースは意外と多く、角膜損傷などに
つながると治療が長引くこともあります。
特に子猫期や保護猫同士の同居初期では、
力加減が分からないため、
爪の管理が重要になります。
ケガ防止のためには、
新入り猫の爪を事前に切ること、
先住猫も同じタイミングで整えることが
おすすめです。
■私たちが感染してしまう
猫の爪が伸びている状態で私たちが
スキンシップをとれば、簡単にひっかき傷
ができてしまいます。その傷から感染症に
かかることもあります。
ひっかき病といわれる感染症は、
リンパ節が腫れ発熱、頭痛などの症状が
あります。免疫が低下していると重症化
することもあるのです。
一緒に暮らす猫だから大丈夫ということは
ありません。
特に小さな子どもや高齢者、
持病のある方は注意が必要です。
猫の爪に付着した細菌が
わずかな傷口から侵入するだけでも
感染します。爪切りと同時に
肉球や爪の間を清潔に保つことも
予防になります。
猫の爪切りのコツ

猫の爪切りの大切さをわかっていても、
なかなか思いどおりにいきません。爪を
切るときのコツや、普段から爪を切る
ために慣らしておく方法を紹介します。
すこしでも爪切りのお世話に苦労しない
ように、地道に試していきましょう。
1|リラックスした状態で
遊んだあとや興奮している状態のときは、
爪切りに向いていません。静かに外を
眺めているときや、ごはんのあとで
くつろいでいるときなど、落ち着いている
ときがいいでしょう。
膝の上でリラックスしているときも、
爪切りには絶好のチャンスになります。
触れ合いながら体をなで、
穏やかな声で話しかけることも効果的です。
音や気配に敏感な猫には、
テレビやBGMを小さく流すと
周囲の音が和らぎます。
一度にすべて終わらせようとせず、
「今日は1本だけ」を目標に。
2|触られることに慣らす
爪を切るときに、ぎゅっと押して爪を出す
ことを嫌がる猫も多いようです。爪を
切らなくても、普段から爪の出し入れに
慣らすことも効果的です。
「爪を出される」=「爪を切られる」
と思わせないように、「爪を出すだけ」
の経験を重ねて悪いイメージがつかない
ようにします。
慣らすときは、おやつを使うのもコツです。
触らせた直後に好物を与えることで、
「触られる=いいこと」と学習します。
無理に押さえ込むと逆効果なので、
短時間で終えて褒める流れを繰り返しましょう。
3|1日1本
1回の爪切りですべて切れるとは思わない
ことです。数本ずつ、または1日に1本でも
切れればOKという心構えで大丈夫です。
1本切っただけでも逃げてしまうことが
あります。爪が伸びている状態だと、
逃げるときに爪を出されて私たちが
ケガをすることもあります。
1日に1本ずつ、コツコツ続けて
いきましょう。
数日に分けることで、
猫の記憶にも「怖くない経験」として
残りやすくなります。
また、照明の下で角度を変えながら
爪の中をよく見て切ると、
血管を傷つけずに済みます。
4|寝ているときや寝起き
寝ているときや寝起きでまだぼーっとして
いるときに爪切りを試してみてください。
起きているときに切るのが難しい後ろ足の
爪切りに効果的です。
気持ちよく寝ているときに起こして
しまったりすると申し訳ない気も
しますが、猫によっては爪切りに
気づかないこともあります。
前足より後ろ足は敏感で嫌がる猫が多いため、
眠気が残る時間帯を狙うのがポイントです。
短時間で済ませられるように、
事前に爪切りとライトを手元に準備しておくと
スムーズです。
5|爪切りの場所を選ばない
猫の爪切り道具は人間の爪切りとは違い、
切った爪を一時的にためておく構造の
ものはあまり見かけません。
爪が落ちてもいい場所で爪を切るなど、
特定の場所に限定しないことです。
爪が切れるタイミングが訪れたら、
すかさずその場で切ること。いちいち
場所を気にしていたら、いつになっても
猫の爪は切れません。
「場所を変えても大丈夫」という
柔軟さが大切です。
膝の上、ベッド、ソファ、
お気に入りの毛布の上など、
猫が安心できる場所で行いましょう。
猫の爪切り 注意点
猫の爪切りをおこなうときに、
注意すべき点を確認しておきましょう。

■切りすぎに注意
猫の爪を切りすぎてしまうと、人でいう
深爪のような状態になってしまい、
血が出ることがあります。
爪の中に透けてピンクの組織が
みえるので、その手前で爪を切るよう
にします。猫も動いてしまうので、
切るときは注意しながら
爪を切りましょう。
黒い爪の猫では血管が見えづらいので、
先端を少しずつ切るのが安全です。
もし出血した場合は慌てず、
清潔なガーゼで押さえて止血しましょう。
こういう時のために止血剤の
用意をしておくと安心です。
■人間の爪切りは使わない
私たちが使う人間用の爪切りで猫の爪を
切らないようにしましょう。猫と人では
爪の形が違うため、人間用の爪切りだと
猫の爪が潰れてしまうことがあります。
きちんと猫用の爪切り道具を使用
しましょう。
猫用の爪切りにも種類があります。
初心者にはハサミ型、
慣れてきたらギロチン型も便利です。
刃の部分を清潔に保ち、
使用後は綺麗に拭いて保管しましょう。
■無理はしない
どう試してもうまくいかないことも
あります。そのときは無理をせず、
プロにお願いすることも大切です。
ほとんどの動物病院で爪切りをお願いする
ことができます。爪切りが負担になって
ストレスになってしまうまえに、
獣医さんへ相談してみましょう。
まとめ
猫の爪切りは簡単なお世話では
ありません。嫌いな猫も多く、
素直に爪切りをさせてくれる猫は
とてもまれだと思います。
しかし、猫をケガなどから守るために
爪切りは必要なお世話になります。
さまざまな爪切りの方法を試しながら、
猫にあった爪切りのお手入れ方法を
みつけてみましょう。
さらに、爪切りは“できるときに少しずつ”
という柔軟な姿勢がとても大切です。
完璧を目指す必要はありません。
猫が嫌がれば無理に続けず、
「今日はここまで」と区切ることで、
次の爪切りへの負担もぐっと減ります。
また、爪切りが成功した日は
たくさん褒めて安心させてあげましょう。
おやつをごほうびにすることも、
良い経験として記憶に残る手助けになります。
爪切りは毎日の生活を安全に守るための
大切なケアであり、続けていけば
必ず猫との暮らしをより快適なものに
してくれます。猫のペースに寄り添いながら、
その子にとっていちばん負担の少ない
やり方を一緒に見つけていきましょう。


