
嫌がる猫が多いお世話のひとつ、
爪切り。嫌がるからといって
放っておけない、爪切りのやり方を
キャットケアスペシャリストが解説します!
爪を切ろうとすると逃げる、暴れて爪が
切れないなど、猫の爪切りで悩んでいる
人は多いと思います。
嫌がるからと放っておくと、事故に
つながってしまうこともあるのです。
嫌がる猫がかわいそうになることも
ありますが、爪切りは猫たちを守るため
にも大切なお世話のひとつです。
辛抱強く、爪切りのコツを試して猫たちに
あった爪切りスタイルをみつけましょう。
猫の爪切りは本当に必要?
私たちと暮らす猫の爪切りは必要です。
たまに「うちの猫はしっかり爪研ぎ
してるから大丈夫」という人がいますが、
それは間違いです。
爪研ぎは爪を削って短くしている
のでなく、爪を研いでいるので立派に
尖ってゆくだけです。
外で暮らす猫たちは、コンクリートや
石などで爪が自然に削れるため、
爪切りをしなくても大丈夫です。
しかし、家の中で暮らす猫たちの爪切り
は必須になります。
猫の爪が伸びたままだと?
猫の爪切りをしないで伸びたままに
しておくと、ケガや事故につながってしまいます。
■ケガのもとになる
多頭飼いの場合爪が伸びたままだと、
けんかやじゃれあいがケガにつながって
しまいます。
伸びた爪で手を出したときに、相手を
傷つけてしまうのです。しっかり爪を
切っておけば、多少のけんかやじゃれあい
でケガをすることもありません。
■私たちが感染してしまう
猫の爪が伸びている状態で私たちが
スキンシップをとれば、簡単にひっかき傷
ができてしまいます。その傷から感染症に
かかることもあります。
ひっかき病といわれる感染症は、
リンパ節が腫れ発熱、頭痛などの症状が
あります。免疫が低下していると重症化
することもあるのです。
一緒に暮らす猫だから大丈夫ということは
ありません。
猫の爪切りのコツ
猫の爪切りの大切さをわかっていても、
なかなか思いどおりにいきません。爪を
切るときのコツや、普段から爪を切る
ために慣らしておく方法を紹介します。
すこしでも爪切りのお世話に苦労しない
ように、地道に試していきましょう。
1|リラックスした状態で
遊んだあとや興奮している状態のときは、
爪切りに向いていません。静かに外を
眺めているときや、ごはんのあとで
くつろいでいるときなど、落ち着いている
ときがいいでしょう。
膝の上でリラックスしているときも、
爪切りには絶好のチャンスになります。
2|触られることに慣らす
爪を切るときに、ぎゅっと押して爪を出す
ことを嫌がる猫も多いようです。爪を
切らなくても、普段から爪の出し入れに
慣らすことも効果的です。
「爪を出される」=「爪を切られる」
と思わせないように、「爪を出すだけ」
の経験を重ねて悪いイメージがつかない
ようにします。
3|1日1本
1回の爪切りですべて切れるとは思わない
ことです。数本ずつ、または1日に1本でも
切れればOKという心構えで大丈夫です。
1本切っただけでも逃げてしまうことが
あります。爪が伸びている状態だと、
逃げるときに爪を出されて私たちが
ケガをすることもあります。
1日に1本ずつ、コツコツ続けて
いきましょう。
4|寝ているときや寝起き
寝ているときや寝起きでまだぼーっとして
いるときに爪切りを試してみてください。
起きているときに切るのが難しい後ろ足の
爪切りに効果的です。
気持ちよく寝ているときに起こして
しまったりすると申し訳ない気も
しますが、猫によっては爪切りに
気づかないこともあります。
5|爪切りの場所を選ばない
猫の爪切り道具は人間の爪切りとは違い、
切った爪を一時的にためておく構造の
ものはあまり見かけません。
爪が落ちてもいい場所で爪を切るなど、
特定の場所に限定しないことです。
爪が切れるタイミングが訪れたら、
すかさずその場で切ること。いちいち
場所を気にしていたら、いつになっても
猫の爪は切れません。
猫の爪切り 注意点
猫の爪切りをおこなうときに、
注意すべき点を確認しておきましょう。
■切りすぎに注意
猫の爪を切りすぎてしまうと、人でいう
深爪のような状態になってしまい、
血が出ることがあります。
爪の中に透けてピンクの組織が
みえるので、その手前で爪を切るよう
にします。猫も動いてしまうので、
切るときは注意しながら
爪を切りましょう。
■人間の爪切りは使わない
私たちが使う人間用の爪切りで猫の爪を
切らないようにしましょう。猫と人では
爪の形が違うため、人間用の爪切りだと
猫の爪が潰れてしまうことがあります。
きちんと猫用の爪切り道具を使用
しましょう。
■無理はしない
どう試してもうまくいかないことも
あります。そのときは無理をせず、
プロにお願いすることも大切です。
ほとんどの動物病院で爪切りをお願いする
ことができます。爪切りが負担になって
ストレスになってしまうまえに、
獣医さんへ相談してみましょう。
まとめ
猫の爪切りは簡単なお世話では
ありません。嫌いな猫も多く、
素直に爪切りをさせてくれる猫は
とてもまれだと思います。
しかし、猫をケガなどから守るために
爪切りは必要なお世話になります。
さまざまな爪切りの方法を試しながら、
猫にあった爪切りのお手入れ方法を
みつけてみましょう。