猫にとってストレスは健康を
阻害する最大の敵。ストレスは
さまざまな病気の原因になります。
猫がストレスを感じているサインを
キャットケアスペシャリストが
解説します!
猫はストレスを感じやすいといわれて
います。猫の性格にもよりますが、多くの
猫は繊細でストレスにも敏感です。
私たちはストレスと思っていなくても、
猫にとっては不快なこともあります。
ストレスはさまざまな病気の原因になる
ことが多いです。いち早く猫がストレスを
感じていることに気づいて、原因を除去
していくことが大切になります。
猫たちのストレスのサインを見逃さない
ようにしっかり観察していきましょう。
猫のストレスは、
人が気づかないほど
小さな変化から蓄積していきます。
たとえば家具の配置替え、家族の外出
時間の変化、掃除機の音、来客、
季節の移り変わりなど、
日常のちょっとした
刺激も猫にとっては大きな不安材料に
なることがあります。
また、飼い主の気分や声のトーン、
動きの変化にも敏感に反応します。
だからこそ、
普段の生活のなかで
この子が安心できる環境はなにか?
を意識して見てあげることが
重要です。
猫のストレスサイン
猫がストレスを感じると行動に変化が
みられるようになります。

1、食欲がなくなる
健康な状態のときは、お腹が空くと
ごはんを食べたいという欲求がでます。
ストレスを感じていると、お腹は
空いているのかもしれませんが、
食べたいという欲求自体がなくなって
しまいます。
食欲低下は猫にとって重要なサインです。
とくに急に食べなくなる場合は
注意が必要で、
ストレスだけでなく病気が背景に
あることもあります。
猫は24時間以上
食べない状態が続くと肝臓に負担がかかり、
「肝リピドーシス(脂肪肝)」
を起こす可能性もあります。
そのため、食欲の変化は見逃さず、
食べるペース・量・食べ方まで
細かく観察することが重要です。
2、脱毛やハゲ
猫がストレスを感じるとからだの同じ
ところを舐め続ける、過剰な
グルーミングがみられることがあります。
皮膚に発疹や腫れもなくハゲができて
いるときは、ストレスが原因の
脱毛かもしれません。
ストレス性の脱毛は、
腹部や内もも、脇の下など
自分で舐めやすい場所に
集中して起こることが多いです。
一見きれいに舐めているため、
飼い主さんが
「毛が抜けていること」
に気づくまで時間がかかることもあります。
グルーミングの時間が増えた、
夜中にずっと毛づくろいしている、
という様子が見られた場合も
ストレスの可能性があるため
注意深く観察しましょう。
3、攻撃的になる
いつもは穏やかな猫なのに、とつぜん
大声で鳴いたり威嚇するように
なったりと、性格が攻撃的になること
があります。
人間もストレスが溜まると怒りやすく
なるのと同じで、イライラして八つ当たり
を起こすようになります。
攻撃行動は、
恐怖や不安を感じているときにも
現れるサインです。
猫にとって
「逃げる」より「攻撃する」ほうが
早く場をコントロールできると
判断したとき、
威嚇や噛みつくなどの行動を
取ることがあります。
新入り猫を迎えたとき、
来客が多いとき、
大きな音が続くときなど、
環境の変化が急激な場合に
特に生じやすい行動です。
4、隠れて出てこない
猫は嫌なものから逃げるために、隠れて
身の安全を確保しようとします。
ストレスを感じたくないので、いつも
隠れて暮らすようになってしまうのです。
警戒心も強くなり安心して行動が
できないので、さらにストレスが
溜まってしまいます。
猫が安心できるスペースに入ること自体は
正常な行動ですが、
長時間出てこない
声をかけても反応が薄い
などが続くようなら
強いストレスを抱えている可能性があります。
特に押し入れや家具のすき間など、
暗くて狭い場所にこもる
時間が増えるのは
典型的なストレス反応です。
隠れて過ごす時間を減らすために、
安心して過ごせる場所を
複数作ってあげることが大切です。
5、粗相をする
ストレスを感じているのに改善されない
ままの状態が続くと、不満を訴えるように
粗相をすることがあります。
また、飼い主の不在が増えるなど私たちの
生活に変化があると、構ってもらえる
ように粗相をするようになります。
粗相は
「怒っているからしている」のではなく、
不安や寂しさの表現として起こることが多いです。
とくに飼い主の生活リズムの変化、
引っ越し、家族構成の変化など
安心できる日常が崩れたときに
起こりやすくなります。
叱るとさらにストレスが増え、
問題が悪化することもあるため、
原因を冷静に探ることが必要です。
ストレスが原因になる病気
ストレスは万病のもとです。心因性が
原因の病気は多岐にわたります。

1、突発性膀胱炎
膀胱炎の原因は、結石や細菌の感染に
よるものです。突発性膀胱炎は細菌の
感染などもない、原因が不明の膀胱炎
になります。
ストレスもこの突発性膀胱炎が
起こる要因と考えられています。
再発率が高い病気でもあります。
排尿時に痛がったり、
トイレに頻繁に行くのに
少ししか出ないなどの症状がみられます。
環境改善とストレスケアが治療の中心となるため、
日常の“安心できる生活”を整えることが
大きな予防効果になります。
2、胃腸炎
胃や腸に炎症が起こり、下痢や嘔吐の
症状があります。おもな理由として
ごはんが合わなかったり、感染症が原因に
なりますが、ストレスも発症する
原因のひとつになります。
ストレス性の胃腸炎は、
短期間で下痢や嘔吐が出ることがあり、
脱水を起こすこともあるため注意が必要です。
急な環境変化がきっかけになることも多く、
旅行や来客後に症状が出る猫もいます。
食事の回数を増やしたり、
低刺激のごはんに変更することで
改善することもあります。
3、猫風邪
ウィルスや細菌による感染症の総称です。
ストレスが溜まると免疫機能が低下して
しまうため、猫風邪にかかりやすく
なってしまいます。
免疫低下によって発症しやすくなるため、
ストレス環境が続くと慢性化することが
あります。涙目やくしゃみ、鼻水など
軽度な症状でも、
繰り返すようであればストレス対策が必要です。
猫のストレス軽減のためにできること

猫がストレスを感じないように生活する
ことができれば、ほとんどの病気の予防に
効果的です。ストレスが原因で病気を
発症し、その病気が原因でストレスが悪化
する負の連鎖が起こってしまいます。
小さなストレスの芽を毎日の生活の中で
摘んでいくことが大切になります。
猫は怖い出来事を覚えています。
その出来事がトラウマになってストレスを
溜めることもあります。怖い出来事を思い
出させないような暮らしの工夫も必要です。
快適に過ごせる環境やお気に入りの
スペースをつくってあげること。
こまめに掃除して清潔を保ち、おいしい
ごはんとたのしい遊びで毎日が豊かになる
こと。猫たちの健康を考えれば、
難しいことではありません。
暮らす環境を整えて、猫に配慮しながら
暮らせばストレスを感じることは
少なくなるはずです。
ストレス軽減には
安心できる日常の積み重ね
が最も効果的です。
たとえば高い場所で休める環境づくり、
動線を確保した家具配置、
トイレの数を増やす、
毎日の遊び時間をつくるなど、
少しの工夫で大きく改善します。
また、急激な変化を避け、
変化が必要な場合はゆっくり段階的に進めることも
猫の不安を減らすポイントです。
まとめ
猫のストレスサインは意外と気づきにくい
こともあります。行動の変化に
気づいても、その原因がストレスに
よるものだと判断することはなかなか
難しいものです。
さらに、猫は不調を隠してしまう
生き物です。そのため、ストレスを
溜めない暮らしが重要になります。
大切なのは、
日常の小さな変化を丁寧に拾い上げることです。
食欲、排泄、動き、鳴き方、毛づくろいなど、
猫の生活のすべてがストレスの影響を受けます。
そしてストレスは病気にも直結します。
だからこそ、飼い主が
安心できる環境を与えられる唯一の存在
であることを忘れないようにしましょう。
日々の工夫と観察で、
猫たちは驚くほど穏やかに暮らすことができます。


