猫の去勢・避妊 メリットとデメリット【キャットケアスペシャリストが解説!】

猫の去勢・避妊 メリットとデメリット【キャットケアスペシャリストが解説!】

猫の去勢・避妊には、望まない
妊娠のほかにも病気を防ぐ
メリットがあった!デメリットも
理解して、去勢・避妊を検討する
必要性をキャットケアスペシャ
リストが解説します!

 

猫の去勢や避妊は、望まない妊娠を防ぐ
ことだけだと思っていませんか?
猫の去勢や避妊には、そのほかにも
病気の予防になるメリットがあります。

デメリットよりもメリットのほうが多い
ので、子供を産ませる必要がなければ、
健康のためにも去勢・避妊手術をする
ことをおすすめします。

去勢・避妊は
「かわいそう」「自然のままがいい」
と迷う人も多いテーマです。

しかし、
発情にともなうストレスや行動の変化、
将来的な病気のリスクを
減らすという視点で考えると、
手術は猫の生活の質を守る選択にもなります。

一方で、
すべての猫に同じ判断が
当てはまるわけではありません。

体質や暮らし方、家族の考え方を含めて、
納得できる形で検討することが大切です。

猫の妊娠

猫は1回の妊娠で3~8匹の子猫を
産みます。交尾の成功率も100%
妊娠期間はおよそ2か月

1年に2~3回の妊娠が可能なため、
避妊をしないと1年で20匹以上が
産まれてしまう可能性があります。
多頭飼育崩壊にも繋がるため、
去勢・避妊は飼い主の義務とも
いえるでしょう。

さらに猫は
「交尾排卵」という仕組みがあり、
交尾の刺激で排卵が
起こりやすいといわれています。

つまり、条件がそろうと
妊娠が成立しやすいのです。

室内飼いでも、
未手術のオスとメスが同居していれば、
飼い主が気づかない
短時間でも
交尾が成立することがあります。

また外に出る猫の場合は、
複数のオスと交尾して
父親が異なる子猫が同時に産まれることもあります。

繁殖の管理は想像以上に難しいため、
計画のない妊娠を
防ぐ意識が重要になります。

去勢・避妊のメリット

猫の望まない妊娠のほかに、
どのようなメリットがあるのでしょうか?
去勢と避妊それぞれのメリットを
紹介します。

メリットは
「繁殖を止める」だけではなく、
発情に伴う体への負担や、
行動上のトラブルを減らすことにもつながります。

猫にとって発情は本能的なものですが、
室内環境では欲求を満たすことができず、
ストレスとして蓄積することがあります。

また、
発情期の行動は
飼い主との生活のすれ違いを生みやすく、
結果的に叱られたり隔離されたりして、
猫の不安が強まることも。
手術によってこの負担が軽減される点も大きいです。

■去勢

  • 精巣腫瘍の心配がなくなる
  • スプレー行動がなくなる
  • 性格が穏やかになる

精巣を取り除いてしまうので、精巣が
関係する病気の発症がなくなります。
また、ホルモンの分泌もなくなるので、
スプレー行動や発情のストレスなども
解消され、性格も穏やかになると
いわれています。

しかし、性格はあまり変わらないこと
もあるので、去勢すればおとなしく
なるとは言いきれません。

スプレーは「トイレの失敗」と違い、
縄張りの主張として
壁や家具に少量の尿を吹き付ける行動です。

ニオイが強く、掃除が大変なだけでなく、
ニオイを残すために繰り返されやすいのが特徴です。

去勢によってホルモンの影響が弱まると、
スプレーの頻度が下がるケースが多く見られます。

ただし、
習慣化している場合やストレスが原因の場合は、
去勢後も続くことがあります。

環境調整とあわせて考えると改善しやすくなります。

■避妊

  • 望まない妊娠を防ぐことができる
  • 発情期の問題行動がなくなる
  • 病気の予防になる
  • 発情期のストレスがなくなる

避妊のメリットは、まず望まない妊娠を
避けることができること。それと、
子宮の病気や乳腺腫瘍などの病気を
防げることも大きなメリットです。

1年に2~3回の発情期のたびにストレスを
感じたり、大声で唸るように鳴くことも
なくなり、避妊は健康にも繋がります。

発情期の鳴き声は
「要求」ではなく、本能による行動です。

飼い主がなだめようとしても止めることは難しく、
猫自身も興奮状態が続いて落ち着けません。

さらに、
発情に伴って食欲が落ちたり、
眠りが浅くなったりする子もいます。

避妊によってこの波がなくなることで、
生活リズムが整い、
穏やかに過ごせるようになるケースがあります。

また乳腺腫瘍は悪性の割合が高いといわれるため、
発情を繰り返すことによる
負担を減らす意味でも、
早めの検討は大切なポイントになります。

去勢・避妊のデメリット

メリットはたくさんありますが、子供が
できなくなる以外にデメリットはある
のでしょうか?
去勢・避妊のデメリットは、子供を
つくれないことと、太りやすくなること
この2つぐらいだといえます。

太りやすくなるとはいえ、去勢・避妊を
したすべての猫が激太りするわけでは
ありません。しかも、太らないように
私たちがごはんやおやつの量を
コントロールすることもできます。

そうすると、デメリットは子供が
できないことだけになるかもしれません。


去勢・避妊はいつからできる?

猫を増やしたくないから、産まれてすぐ
去勢・避妊をしようとしても
できるものではありません。
去勢・避妊ができるのはいつごろ
からでしょうか?

■生後6か月を過ぎたら

最初のワクチン接種を終えて、大体
生後6か月を過ぎたころから去勢・避妊
手術が可能になります。

この頃からはじめての発情期を迎えます。
発情期を迎えるたびに病気になる確率が
上がっていくので、最初の発情期を
迎えるまえに、早めの去勢・避妊を
おすすめします。

 

■体重が2kg以上になったら

去勢・避妊手術は全身麻酔で行います。
猫のからだにも負担となるので、ある
程度の体重が必要です。

生後6か月ぐらいになれば、順調に体重も
増えて2kgを超える猫がほとんどです。
しかし、個体差もあります。生後6か月でも
体重が2kgに満たないときは、獣医さんと
相談しながら手術の時期を決めましょう。


去勢・避妊の費用は?

去勢・避妊の手術費用はオスとメスで
異なります。オスが約1~3万円、
メスが2~5万円です。

手術と一緒にレントゲンや血液などの
検査を一緒に行うことをおすすめします。
検査のたびに麻酔で眠らせることには
大きなリスクが伴います。
手術の費用とさらに検査費用がかかり
ますが、全身麻酔をする機会を利用して
しっかり検査をしておきましょう。

 

まとめ

猫の去勢・避妊は望まない妊娠を避け、
多頭飼育崩壊へ繋がることも防ぐこと
ができます。さらに病気の予防や
ストレスの軽減までできてしまう
メリットがあります。

子猫を産ませたい場合は、猫の妊娠の
周期や産まれる数を理解して、
しっかりお世話ができる範囲で繁殖を
行いましょう。

それ以外は、去勢・避妊にメリット
しかないと思います。猫たちが健康で
ストレスなく暮らせるように、
去勢・避妊をしっかり行いましょう。

去勢・避妊手術は「繁殖を防ぐための作業」
というイメージが先行しがちですが、
本質的には猫たちがより健やかに、
より長く暮らすための医療行為
です。

特に現代の猫は完全室内飼いが主流になり、
自然界のように自由に動き回ったり、
自分で行動範囲を調節することが
できません。そのため、発情期のストレスや
ホルモンの影響による問題行動は、
昔よりも強く表れやすい傾向があります。

また、子宮の病気(子宮蓄膿症)や
乳腺腫瘍、精巣腫瘍など、
命に関わるリスクを大幅に下げられるのも、
去勢・避妊の大きなメリットです。
特に乳腺腫瘍は、避妊手術の時期が早いほど
発生率が低くなる
ことが分かっており、
若いうちに手術を受ける大切さが
医学的に証明されています。

手術は一度きりで終わりますが、
その効果は一生続きます。

飼い主が手間をかけるのは一時ですが、
猫にとってはその後の長い猫生を
より安全に過ごせるようになる
とても大きな贈り物です。

もちろん手術には不安がつきものです。
「麻酔が心配」「術後の痛みがかわいそう」
という気持ちもとてもよく分かります。

しかし、近年の麻酔や術後ケアの技術は
大きく進歩しています。
事前検査をしっかり行い、
信頼できる獣医師と相談しながら
進めることで、リスクを最小限にできます。

逆に、
手術をせずに発情のたびに
強いストレスを感じ続けることや、
病気にかかるリスクを抱えながら暮らすことは、
猫にとっても負担が大きいということも忘れてはいけません。

猫が安心して眠り、のびのび遊び、
穏やかに過ごせる毎日を守るために、
去勢・避妊はとても重要な選択です。

飼い主としてできる最大の愛情のひとつが、
この手術を正しく理解し、
適切な時期に決断してあげることだといえるでしょう。