猫のトイレのしつけ トレーニング方法と快適環境のポイント【キャットケアスペシャリストが解説!】

猫のトイレのしつけ トレーニング方法と快適環境のポイント【キャットケアスペシャリストが解説!】

猫のトイレのしつけがうまく
いかない?今日からできる、
トイレトレーニングの方法や
トイレ環境の大切なポイントを
キャットケアスペシャリストが解説します。

猫との暮らしの中でも悩みが多い、
猫のトイレ問題。猫のトイレの
トレーニング方法や、トイレ環境を
快適にするための大切なポイントを紹介します。


猫のトイレトレーニング

猫との暮らしで最初にしっかり覚えさせて
おきたいのがトイレのしつけです。
猫のトイレのしつけは比較的簡単と
いわれています。しかし、最初に
トレーニングで教えてあげることが大切です。

1|トイレの場所を教えてあげる

トイレを設置するだけで猫が勝手に
トイレを覚えることは難しいです。
最初にトイレの場所に連れて行き、
ここがトイレだよと教えてあげましょう。

見せるだけではなく、砂をかいて
音を聞かせてあげることも効果的です。
ソワソワしたり床を嗅いでくるくる
回ったりするようなしぐさが、
猫のトイレのサインです。

そのしぐさを見たらトイレに
連れていきましょう。先住猫がいれば、
排泄のニオイが残っているのでトイレを
覚えやすい傾向にあります。

また、トイレは一度覚えた場所を
急に変えないことも大切です。
引越しや模様替えなどで場所を変える場合は、
新しい場所にも古い砂を少し入れて
“ここがトイレだよ”と伝えてあげると
スムーズに移行できます。

さらに、トイレの位置は猫がすぐに
行ける動線上にあることが理想です。
ドアを閉め切った部屋や、音や匂いが強い
キッチンの近くは避けましょう。
トイレの場所選びは“成功率”を大きく
左右します。

2|トイレを失敗しても怒らない

最初はトイレで排泄ができたとしても、
次もきちんとできるとは限りません。
失敗したからといって決して怒っては
いけません。

トイレで排泄をすることが定着する
までは、忍耐強く繰りかえし教えて
あげましょう。怒って覚えさせる
のではなく、経験を積み重ねて覚えさせます。

もし同じ場所で失敗が続くようなら、
その場所にニオイが残っている
可能性があります。ニオイが残ると
“ここでもいいんだ”と学習してしまうため、
消臭剤やアルコールでしっかり
拭き取ることがポイントです。

また、叱られることで猫がトイレ自体を
嫌いになってしまうこともあります。
「怒られる=トイレが怖い」と
感じてしまうと、隠れて排泄するなどの
問題行動につながることもあるため注意が必要です。

3|トイレができたら褒める

トイレに連れていって排泄ができたり、
自分でトイレまでいけたときは
ちゃんと褒めてあげましょう。

褒められていることがわからなくても、
私たちが嬉しそうにしているのは
伝わります。きちんとトイレで排泄
すると喜んでくれるということを、
猫が感じることができるかもしれません。

その嬉しい経験がトイレのしつけの成功に繋がります。

特に子猫の場合は「できた!」の体験を
積み重ねることで、自然と成功率が
上がっていきます。焦らず、
猫のペースを尊重して教えていきましょう。

また、成功後はおやつをご褒美にするのも
効果的です。ただし、量はごく少量で。
“トイレ=良いことが起きる”という
ポジティブな印象をつけることが目的です。



トイレ環境の大切なポイント

猫はとてもきれい好きな生き物です。
トイレの環境が悪いと、最初の
トレーニングに成功しても、
途中から粗相をするようになることもあります。

トイレ環境を快適に保つための大切なポイントを紹介します。


1|こまめな掃除

トイレをキレイに保つために、
こまめな掃除は欠かせません
何度か排泄して溜まってから掃除を
するのではなく、1回でも排泄していれば
その都度取り除いてあげましょう。

トイレ本体も週1回を目安に掃除する
ことをおすすめします。とはいっても、
毎週トイレを丸洗いするのは疲れると思います。

砂をいったんバケツなどに除けて、
水拭きするだけでも清潔を保てます。
おすすめは赤ちゃんのおしりふきや
ウェットティッシュです。
使い捨てできるので、清潔で簡単です。

また、掃除の際は猫が嫌がる香料入り
洗剤を避け、無臭タイプを選ぶことが
重要です。人工的な匂いが残ると、
そのトイレを避けるようになる猫もいます。

清潔なトイレは猫の健康にも関わります。
汚れが溜まると、尿路感染症などの
リスクが高まることも。衛生面でも
掃除はとても大切な習慣です。

2|トイレの場所

トイレを置く場所はどこでもいい
わけではありません。リビングや
人の目につきやすい場所では落ち着いて
排泄することができないでしょう。

静かで人から見られない場所、
ごはんや飲み水と距離がある場所がよいでしょう。

さらに、トイレの周辺には
大きな音の出る家電(洗濯機・掃除機)を
置かないようにするのもポイントです。
音に敏感な猫は、驚いて
トイレを避けるようになってしまいます。

また、夜でも行きやすいように
常夜灯をつけるなど、猫が安心して
使える環境づくりを意識しましょう。

3|トイレの数

トイレの数は猫の数+1をおすすめします。
トイレを置く場所は、いつも生活している
場所から遠い場所に1カ所のみではなく、
2カ所ぐらいに分けて設置しましょう。

粗相の経験がある場所にトイレを
置くことができれば、そこに設置して
みるのもいいかもしれません。

多頭飼いの場合、1つのトイレを
共有させるとストレスがたまり、
“順番待ち”のような状態になることも。
猫同士のトラブルを避けるためにも、
 余裕をもった数を用意するのが理想です。

4|砂に選択肢を

トイレを複数設置することで、
違った砂を使うこともできます。
猫にも砂の好みがあります
また、

その日の気分や排泄の種類で
使いわけたりする猫もいるようです。

砂を2種類ほど用意して、使用頻度の
高い砂を見極めて、その子のお気に入りの
砂を見つけてあげるのもいいでしょう。
猫にも砂を選ぶ選択肢をあげます。

香り付きの砂を嫌う子もいれば、
粒が細かいタイプを好む子もいます。
好みを観察することで、
“使いたくなるトイレ”を作れます。

5|猫にあったトイレのサイズ

トイレのサイズは小さすぎても、
大きすぎてもいけません。猫のサイズに
あったものを使用するようにしましょう。

猫の体長の1.5倍のサイズが適切と
いわれています。ニオイがこもって
しまうのと、排泄をするときに周りを
見渡せないため、
フード付きのトイレ

あまりおすすめできません。

また、子猫やシニア猫には段差の低い
トイレを選ぶこともポイントです。
入りにくいトイレは、それだけで
失敗の原因になります。


まとめ

猫がトイレを覚えるまでは根気強く
トレーニングを繰り返しましょう。
トイレを覚えたあとも猫に気持ちよく
トイレを使ってもらうため、こまめな
掃除と猫の好みにあったものを
使うことが大切です。

トイレを設置する場所や砂などは、
複数用意することで猫が選べるように
してあげます。ストレスや粗相もなく
猫が気持ちよく使えるように、
トイレの環境もしっかり整えましょう。

トイレは単なる排泄の場ではなく、
“安心できる場所”でもあります。
清潔で快適なトイレ環境は、
猫の健康と心の安定を守る
大切な要素なのです。

さらに、トイレの様子を観察することは
健康チェックにもつながります。
尿や便の色、回数、においの変化などは
病気のサインであることもあります。
いつもと違うと感じたら、
早めに動物病院を受診しましょう。

また、引っ越しや模様替えなど
生活環境の変化があったときには、
猫が安心できるようにトイレの位置を
変えずに維持することも重要です。
どうしても場所を移動する場合は、
旧トイレを数日並べて置き、
徐々に新しい環境に慣らしていきます。

猫が安心して使えるトイレは、
日々の生活を支える基盤です。
「うちの子のために」と少しだけ
工夫を重ねることで、
猫のストレスはぐっと減り、
お互いに快適な時間が増えていくでしょう。