
猫のおしっこの平均的な
回数と、おしっこでわかる
猫の健康状態。
病気の早期発見に繋がる
観察方法をキャットケア
スペシャリストが解説します。
猫のおしっこの平均的な回数は
1日1〜3回といわれています。しかし
猫にも個体差があり、すべての
猫にとって平均の回数がよいともいえません。
大切なのは、その子のいつもの
おしっこの回数を把握することです。
いつもの回数より少ないか多いかを
判断できることで、猫の不調に
早く気づくことができます。
おしっこの色や量からわかることも
あるので、普段から猫のおしっこを
よく観察しておきましょう。
おしっこの回数の変化と病気の関係
いつものおしっこの回数や状態の
変化から、いくつかの病気の可能性を考えます。
おしっこの回数が多いとき
■回数が多く、おしっこの量が
少ない。または、おしっこが出ないとき
|膀胱炎
細菌に感染して膀胱が炎症をおこし、
尿が溜まっていなくても残尿感
などでおしっこへ行く回数が増えます。
また、血尿や排尿のときに痛みを
伴うこともあります。原因がわからない
突発性の膀胱炎は、ストレスや肥満が
原因といわれています。
|尿石病
尿のミネラル成分が結晶化し、
泌尿器で結石となります。結晶が尿に
混じってキラキラしていたり、排尿の
ときに痛みを伴う場合があります。
重症の場合は尿道で詰まってしまい、
尿が出ないこともあります。
■回数が多く、おしっこの量も多いとき
|慢性腎臓病
何らかの原因で腎臓の機能が低下
してしまう病気です。病気の症状として
食欲は減るのに、水を飲む量が増えて
おしっこの回数や量が増える傾向があります。
|糖尿病
人間の糖尿病と同じように、血糖値が
高い状態が続く病気です。
初期症状として、水を飲む量が増える、
ごはんを食べても太らないもしくは
体重が減るなどの症状があります。
尿の量も多くなり、ニオイがあまりしないのが特徴です。
おしっこの回数が少ないとき
■おしっこの回数が極端に少ない。または、おしっこが出ないとき
|尿道閉塞
結石が尿道を塞いで尿を排出
できなくなります。トイレで
おしっこをしようと頑張っても
出ないので、唸るように鳴くことがあります。
|急性腎不全
腎臓の機能が急激に低下してしまう
病気です。尿結石や尿道閉塞、膀胱腫瘍
などが原因でおしっこが出なくなります。
おしっこの色やニオイもしっかり観察
おしっこの色
猫の通常のおしっこの色はやや濃い黄色
といわれています。オレンジに近い
濃い色や、血が混じったような茶褐色の
尿は異常です。
鉱物性の砂を使用していると色が分かり
にくいと思います。おしっこを摂って
色を確認できればいいですが、
難しい場合はおしっこの最中に
トイレットペーパーなどを尿にあてる
などして色の確認ができます。
おしっこのニオイ
猫のおしっこのニオイは独特です。
苦手な人も多いと思います。ニオイの
変化に気づくことで不調の早期発見に
繋がることもあります。
いつもよりニオイがキツい、または
全くニオイがしないなどの確認をしておきましょう。
おしっこのトラブルを防ぐ
少しでもおしっこのトラブルを防ぐ
ために、私たちが普段からできることは何でしょうか?
1|ストレスを減らす
ストレスが原因でおしっこのトラブル
になることがあります。生活環境を
整えて、猫が快適に暮らせるように
することは大切です。ストレスのない
暮らしは健康に繋がります。
2|ごはんの見直し
ドライフードの中には水分を摂らせる
ために塩分を高めにしているものも
あります。猫が水を飲んでくれた
としても、健康に良いとは思えません。
ほとんどの猫は水分を摂る量が足りて
いないといわれています。
ウェットフードを取り入れたり、水分を
摂らせるような食生活への見直しも一つの対策になります。
3|トイレ環境の改善
トイレの快適な環境は重要です。
汚いトイレでは猫もおしっこをするのを
嫌がります。粗相や膀胱炎の原因にも
なるので、いつも清潔にしておきましょう。
まとめ
猫は痛みや不調を我慢してしまう
生き物です。猫たちがおしっこのトラブル
もなく快適に暮らせるように、私たちが
できることをしてあげましょう。
猫たちのいつものおしっこを観察し、
トイレの環境を清潔に保つようにします。
いつもと違う様子に早く気づいて
対応することが重要になります。