
猫の性格には、品種や柄によっておおまかな傾向があります。この記事では、猫の性格を3タイプに分けて紹介し、それぞれに合ったしつけや暮らし方の工夫についてもわかりやすくまとめました。猫の気持ちをもっと理解したい方や、これから猫と暮らす方にも役立つ内容です。
はじめに|
猫の性格って、品種で違うの?
猫と暮らしていると、
「性格もまるで人間のように
違うなあ」
と感じることは
多いのではないでしょうか?
実際、
猫の性格は十猫十色。
同じ家で同じように育てても、
活発でおしゃべりな子もいれば、
おっとりと落ち着いていて、
ほとんど声を発さない子もいます。
性格形成には、
育った環境や過去の経験が
大きく関わります。
しかし、
それと同じくらい
「遺伝」や「品種」「毛柄(色柄)」
などの“先天的な性質”も
深く影響しているのです。
たとえば、
アメリカンショートヘアのような
好奇心旺盛な品種と、
ブリティッシュショートヘアのような
おっとりマイペースな品種では、
見た目だけでなく、
行動のパターンや
人との接し方にも
大きな違いがあります。
また、
色柄によっても
性格傾向に違いが
見られるという
研究報告もあります。
キジトラは
野性的で活発な子が多く、
黒猫は
実は人懐っこくおだやか、
といった
“色による性格の傾向”
も一部では知られています。
これから
猫を迎える方にとって、
「うちに迎える子はどんな性格だろう?」
という期待や不安は
つきものです。
そしてすでに
猫と暮らしている方にとっても、
「なぜうちの子はこうなんだろう」
と感じる場面は多いはず。
このコラムでは、
猫の性格を
- 穏やかなタイプ
- 比較的活発なタイプ
- 好奇心旺盛で運動好きなタイプ
の3つに分けて、
わかりやすく解説します。
さらに、
性格に合わせた
しつけのポイントや、
ストレスを減らす環境づくり
のヒントも添えました。
猫の性格を
理解することは、
「うちの子らしさ」
を知ること。
それは、
よりよい暮らしと、
深い信頼関係を
築くための第一歩になります。
この性格辞典が、
猫との暮らしのヒントになることを願って・・・
1. 穏やかな性格のねこちゃんたち
初めて猫と暮らす方や、
静かな家庭で
穏やかに過ごしたい方に
人気なのが
「おだやか系」
のねこちゃんたちです。
刺激に対して
敏感に反応しすぎることが
少なく、
生活音や人の出入りにも
比較的柔軟に
適応してくれます。
-
マンチカン:
好奇心はあるけれど、
基本的には
人に寄り添って
過ごすことが好きな性格。
特に足が短いタイプの子は
運動量も穏やかで、
ゆっくりした生活リズムに
合いやすいです。 -
ラグドール:
抱っこが好きで、
撫でられることに
とても寛容。
大きな体格ながら
とてもやさしい性格で、
来客にも落ち着いて
対応できる子が
多い印象です。 -
スコティッシュフォールド:
シャイな一面を
持ちながらも、
家族には甘える控えめな性格。
無駄鳴きが少なく、
落ち着いた暮らしを
望む人にぴったりです。 -
ブリティッシュショートヘア:
堂々とした印象
のある猫種ですが、
実際は
マイペースで平和主義。
適度な距離感で
付き合ってくれるのが
心地よく感じる方も
多いでしょう。 -
ノルウェージャンフォレストキャット:
大型猫ならでは
の落ち着きがあり、
子どもや他のペットとの
同居にも向いています。
おっとりしているけれど、
芯の強い性格もあり、
頼れる存在です。
しつけ・環境整備のポイント
穏やかな猫は
環境の変化に
敏感なこともあるため、
生活リズムを崩さず、
安心できる場所を
複数用意して
あげることが大切です。
急な模様替えや
騒がしい来客が続くと
ストレスを感じてしまう
子もいますので、
静かな部屋や
隠れられるスペース
(キャットテントやベッドなど)
を整えてあげるとよいでしょう。
しつけに関しては、
怒るよりも
「褒めて覚えさせる」
スタイルが合うタイプ。
トイレの場所や
食事の時間など、
日常のルーティンを
なるべく一定に保つことで
落ち着いた生活が送れます。
2. 比較的活発なねこちゃんたち
よく動き、よく遊ぶ。
そんな元気な猫たちは、
家の中ににぎやかな空気を
運んでくれる存在です。
「猫って寝てばっかりじゃないの?」
というイメージがある方は、
彼らのエネルギーに
驚くかもしれません。
-
黒猫:
不思議と
“甘えん坊が多い”
と言われる黒猫。
中にはとても活発で、
人のあとをついて
回るような性格の子も。
人への信頼が
深まりやすく、
賢い個体も多いため、
コミュニケーションも
取りやすいです。 -
キジトラ:
日本でよく見かける
色柄ですが、
非常に活発で
野性味のある一面も。
自立心もあるので、
適度に遊び、
適度に休む
「猫らしい猫」
とも言える存在です。 -
茶トラ:
陽気でおおらか。
人が好きで、
どこか“お笑い系”
のような立ち回りを
する子も多いです。
表情も豊かで、
家族を明るくしてくれる
ムードメーカー的存在。 -
三毛猫:
気分屋で自由奔放。
でも一度信頼すると、
甘え方がとても個性的。
基本的にメスのみ、
性格もはっきりした子が
多い印象です。
しつけ・環境整備のポイント
活発な猫には、
日々のエネルギー発散が
何よりも大切です。
「いたずらするから困る」
というお悩みも、
実は“遊び足りない”のが
原因であるケースが
ほとんど。
運動不足が続くと、
夜中に走り回ったり、
家具をかじったりと
いった行動が見られ
家族の悩みとなることも。
キャットタワーや
高低差のある家具配置に加え、
飼い主と一緒に遊ぶ時間を
毎日10〜15分でも確保しましょう。
おもちゃは
ローテーションして
飽きさせない工夫を。
しつけは
「ダメ」と叱るより、
「こうしたらOK」
を明確に伝える方が効果的です。
3. 好奇心旺盛&運動神経が良いねこちゃんたち
家中を駆け回り、
棚の上や冷蔵庫の上にも
軽々と飛び乗ってしまう。
そんな運動神経抜群
の猫たちは、
探検と遊びが大好きです。
-
シャム:
よくしゃべり、
よく動く。
知的で人との
コミュニケーションも上手。
留守番よりも
一緒に過ごす時間を
大切にしたい猫です。 -
ベンガル:
野生味の残るルックス通り、
運動量はかなり多め。 - 上下運動ができるスペースや、
おもちゃの工夫が
必要なこともあります。 -
ロシアンブルー:
クールで慎重そうに見えて、
慣れるととても活発。
好奇心が強く、
自分のテリトリーを
観察するような動きも
多いです。 -
アビシニアン:
筋肉質で
引き締まった体を
活かして、
部屋中を軽快に
動きます。
遊び好きで、
飼い主との関係も
密になりやすい猫です。 -
アメリカンショートヘア:
活発で遊びが大好き。
特にボールや
追いかけるおもちゃが得意。
一緒に遊んであげることで
信頼関係も深まりやすい
猫種です。
しつけ・環境整備のポイント
好奇心が旺盛な猫は、
室内のあらゆるものを
“探検対象”として見ています。
危険な場所
(キッチン・洗濯機・浴室など)
には物理的なガードや
ドアロックを設け、
事故を防ぎましょう。
上下運動ができる
棚や足場、
見晴らしの良い
窓際スペースなどを
設置すると、
日中も飽きずに
過ごせます。
知育トイや
おやつを隠したり
転がしたりして
遊べる工夫も◎。
このタイプは
学習能力も高いので、
クリッカートレーニングなど
を通じて
「おすわり」や「ハウス」
などのしつけにも
チャレンジできます。
まとめ|性格も個性も“うちの子”だけのもの
猫の性格を
品種や色柄の傾向から
知ることは、
猫との生活の第一歩
としてとても大切です。
でも同時に、
どんな猫にも
“その子だけの個性”
があります。
この記事で紹介したのは
あくまで一般的な傾向であり、
実際には性格は
一匹一匹まったく違います。
だからこそ
「うちの子はどう感じているのかな?」
という目線で接することが、
猫との暮らしを
より深く豊かにしてくれます。
性格を知ることで、
その子に合った遊び方、
接し方、距離感、環境づくり
が見えてきます。
これから猫を迎える方にも、
今一緒に暮らしている方にも、
「猫との対話」
を楽しんでいただけるきっかけ
になれば幸いです。
私自身、
これまで多くの
ねこちゃんと暮らすご家庭と
関わる中で感じているのは、
「この子はこういう性格だからこそ、家族とぴったり合っている」
という事例が本当に
たくさんあるということです。
たとえば、
あるご家庭では、
小さなお子さんのいる
にぎやかな環境に、
活発な茶トラの男の子を
迎えました。
最初はお互いに
慣れるまで時間が
かかりましたが、
毎日たくさん遊ぶことで、
子どもたちにとっても
猫にとっても
欠かせない家族の一員に
なっていきました。
別のご家庭では、
高齢のご夫婦が迎えた
ブリティッシュショートヘアの
女の子がいます。
おだやかで
マイペースな性格のその子は、
おうちの静かな時間の中で、
ご夫婦のそばで
寄り添うように暮らしています。
テレビを見ている間に
膝の上で寝たり、
話しかけると静かに
目を細めて応えるその姿に、
「まるで人間のよう」
と笑って話してくださいました。
こうしたお話しを
聞いていて思うのは、
性格に合った暮らしが
できることで、
猫も人もお互いに
とても心地よい時間を
過ごせるということです。
だからこそ、
どんな子でも
「正しく理解して、寄り添う気持ち」
があれば、
より良い関係が築けるのです。
猫の性格を
知るということは、
その子の気持ちを
汲み取るヒントになります。
それは一緒に暮らしていくうえで、
かけがえのない“対話”
の一つになるのだと感じています。